こんにちは、ケミスト黒岩です。
3月となり、多くの地域で花粉飛散のピークを迎えています。一言で花粉症といっても、その症状は人それぞれ。症状が異なれば、使う薬も変わってきます。
そこで今回は、花粉症治療薬のカテゴリ(種類)について、ご紹介します。
抗ヒスタミン薬
アレルギー反応に関与するヒスタミンが、その受容体に結合するのを妨げることで、アレルギー症状を抑える薬です。
メキタジン(ゼスラン、ニポラジン)、ケトチフェンフマル酸塩(ザジテン)、アゼラスチン塩酸塩(アゼプチン)、オキサトミド(セルテクト)、エメダスチンフマル酸塩(ダレン、レミカット)、エピナスチン塩酸塩(アレジオン)、エバスチン(エバステル、エバステルOD)、セチリジン塩酸塩(ジルテック)、レボセチリジン塩酸塩(ザイザル)、ベポタスチンベシル酸塩(タリオン、タリオンOD)、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ、アレグラOD)、オロパタジン塩酸塩(アレロック、アレロックOD)、ロラタジン(クラリチン、クラリチンレディタブ)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
肥満細胞からアレルギー反応に関与するケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサン、プロスタグランジンなど)の遊離を抑えることで、アレルギー症状を抑える薬です。
トラニラスト(リザベン)、ペミロラストカリウム(アレギサール、ペミラストン)
ロイコトリエン受容体拮抗薬
アレルギー反応に関与するロイコトリエンが、その受容体に結合するのを妨げることで、鼻のアレルギー症状を抑える薬です。
プランルカスト水和物(オノン)、モンテルカストナトリウム(キプレス、シングレア)
プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2拮抗薬
アレルギー反応に関与するプロスタグランジンD2やトロンボキサンA2が、その受容体に結合するのを妨げることで、鼻のアレルギー症状を抑える薬です。
ラマトロバン(バイナス)
Th2サイトカイン阻害薬
リンパ球に働いてサイトカイン(免疫に関与する特殊なタンパク質)の産生を抑えて、アレルギー反応に関与するIgE抗体(免疫グロブリン)がつくられるのを抑えることで、アレルギー症状を抑える薬です。
スプラタストトシル酸塩(アイピーディ)
※色字は成分名、カッコ内は商品名です。
効果的な組み合わせ
さて、ご自身の花粉症症状に有効な薬はどれでしょうか。ここでは、「鼻アレルギー診療ガイドライン」に沿って薬を見ていきましょう。
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くしゃみ・鼻漏型
くしゃみや鼻水が多く出るタイプ
鼻閉型
鼻が詰まるタイプ
充全型
くしゃみ・鼻漏と鼻閉が同程度なタイプ
症状と重症度によって、使用する薬が異なるのがわかります。
抗ヒスタミン薬は、主にくしゃみ・鼻水へ効果を発揮しますが、鼻詰まりにもある程度効いてくれます。それに対し、ロイコトリエン受容体拮抗薬やプロスタグランジンD2・トロンボキサンA2拮抗薬は、主に鼻詰まりに効果を発揮する薬です。また、ケミカルメディエーター遊離抑制薬やTh2サイトカイン阻害薬は全般的に効く薬といえるでしょう。
彩香では、私、ケミスト黒岩が監修しました花粉症ガイドラインセットを取り扱っています。軽症~中等症・重症(くしゃみ・鼻漏型)の花粉症に適する内服薬・点眼薬・点鼻薬がセットになっていますので、花粉症でお悩みの方はこちらもぜひご検討ください。
※ガイドライン表中の略語
遊離抑制薬=ケミカルメディエーター遊離抑制薬
抗LTs薬=ロイコトリエン受容体拮抗薬
抗PGD2・TXA2薬=プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2拮抗薬